まず煉獄さんが[火の呼吸]について何か知っているかもしれないと、
炭治郎たちと会う約束を取り付け待ち合わせたのは列車の中。
実はこの列車に鬼が出るとういことで、
煉獄さんと共に鬼を倒す任務も担っていた。
するとこの列車自体が鬼と同化しており、
乗客二百人を人質に取られ苦戦を強いられた。
辛くも勝利した炭治郎たち。
が、腹を刺された炭治郎に止血するよう呼吸の仕方を教える煉獄さんのすぐ後ろに、
突然[上弦の参]というケタ外れに強い鬼、
猗窩座(あかざ)が現れる。
(猗窩座は偶然列車の近くにいたため
ボスである鬼舞辻に命じられて、
炭治郎たちを始末するために駆けつけた。)
手負いで煉獄さんより弱そうだった炭治郎に、
いきなり攻撃を仕掛ける猗窩座。
華麗に反撃し攻撃を防ぐ煉獄さん。
2人の戦闘が始まった。
猗窩座の「お前も鬼にならないか?」の提案に、
「老いることも死ぬことも、人間という儚い生き物の美しさだ。
老いるからこそ死ぬからこそ、堪らなく愛おしく尊いのだ。
強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない。
俺は如何なる理由があろうとも鬼にはならない。」
とバッサリ否定。(このセリフ好きすぎる…!)
猗窩座と煉獄さんの真っ向勝負になる。
互角と言える規格外の強さでお互いの攻撃が相手に入るが、
どれだけ傷を負わせても猗窩座はたちまち回復してしまう。
対して煉獄さんは片目、肋骨、内臓…
人間である煉獄さんは回復することが出来ない。
どれだけ強くとも、人間は一度傷つくと取り返しがつかない。
助けに入りたい炭治郎と伊之助だが、
レベルが異次元過ぎて間合いに入れば“死”しかないのを肌で感じ、
足手まといにしかならないと動けない。
(炭治郎は単純にケガで動けないし。)
追い詰められる煉獄さん。
お互いの渾身の一撃が相打ちになり…
砂埃が晴れ2人の姿が見えた時、
煉獄さんの腹にはずっぽりと埋まった猗窩座の腕。
『ああ…ああ!!』
愕然とする炭治郎。
「死んでしまうぞ杏寿郎!鬼になれ!」
しつこくもう一度誘う猗窩座。
煉獄さんの心には幼いころ亡くなった母の言葉が蘇る…。
「なぜ自分が人より強く生まれたのかわかりますか。
弱き人を助けるためです。
弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です。」
そして元気よく返事をする幼い煉獄さんをぎゅっと抱きしめ、
「わたしはもう長く生きられません。
強く優しい子の母になれて幸せでした。
あとは頼みます。」と涙を流した。
その言葉を胸に…刀を握り直す煉獄さん。
最後の力を振り絞り、腹に腕を食い込ませたまま、猗窩座の頸に斬りかかる。
反撃する猗窩座の拳を逆の手で受け止め、尚も刀を斬りすすめる。
右腕は腹。左腕も掴まれたまま、身動きが出来なくなる猗窩座。
日が昇り出す。
ここにいては死んでしまう…焦る猗窩座。
「オオオオオオオオオオ!!!」
「ああああああああああ!!!」
お互い渾身の力を振り絞る。
「伊之助動けーーーっ!!煉獄さんのために動けーーーっ!!!」
叫び駆け出す炭治郎、その声と共にハッと攻撃に入る伊之助。
伊之助の助太刀が届きそうになったその時ーー…
ドゥッ
自分の両腕を引きちぎり、頸に刀を差したまま何とか抜け出す猗窩座。
逃げ出す猗窩座の腹に槍投げのように刀を突き刺す炭治郎。
「逃げるな卑怯者!!逃げるなァ!!!
いつだって鬼殺隊はお前らに有利な夜の闇の中で戦ってるんだ!!
生身の人間がだ!!傷だって簡単には塞がらない!!失った手足が戻ることもない!!
逃げるな馬鹿野郎!馬鹿野郎!!卑怯者!!
お前なんかより煉獄さんの方がずっと凄いんだ!!強いんだ!!
煉獄さんは負けてない!!誰も死なせなかった!!戦い抜いた!!守り抜いた!!
お前の負けだ!!煉獄さんの、勝ちだ!!
うああああああ!!(号泣)」
猗窩座は逃げ、膝をつき泣く炭治郎に、煉獄さんが声を掛ける。
「こっちにおいで。最後に少し話をしよう。」
自分の生家にある炎柱の手記に、“ヒノカミ神楽”のヒントがあるかもしれないこと、
父親と弟への言伝。
そして炭治郎の妹、鬼である禰豆子を鬼殺隊の一員として認める、
胸を張って生きろ、と煉獄さんは告げた。
「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと、心を燃やせ。
歯を喰いしばって前を向け。
君が足を止めて蹲っても時間の流れは止まってくれない。
共に寄り添って悲しんではくれない。
もっともっと成長しろ。
そして今度は君たちが鬼殺隊を支える柱となるのだ。
俺は信じる。君たちを信じる。」
そして煉獄さんの目には母親の姿が見える。
『母上。俺はちゃんとやれただろうか。
やるべきことを、果たすべきことを、全うできましたか?』
その問いに、母は優しく微笑んだ。
『立派にできましたよ』
煉獄さんはニッコリと笑った。
…
気絶していた為、事の顛末を炭治郎から聞いた善逸。
「死んじゃうなんて、そんな…ほんとに上弦の鬼来たのか?そんな強いの?そんなさぁ…」
「悔しいなぁ。何か一つできるようになっても
またすぐ目の前に分厚い壁があるんだ。
こんな所でつまずいてるような俺は…俺は…
煉獄さんみたいになれるのかなぁ…」
泣き崩れる炭治郎に、後ろから伊之助のゲキが飛ぶ。
「弱気なこと言ってんじゃねぇ!!
なれるかなれねぇかなんてくだらねぇこと言うんじゃねぇ!!
信じると言われたなら、それに応えること以外考えんじゃねぇ!!
死んだ生き物は土に還るだけなんだよ。
べそべそしたって戻ってきやしねぇんだよ。
悔しくてもなくんじゃねぇ!!!」
と、言い終わると同時にかぶり物の猪の目から大粒の涙が溢れ出す。
(あの猪突猛進の伊之助から溢れ出す涙。
あの伊之助が泣いてる。
もうこれ泣く以外選択肢ないですよ…)
跪いたままこと切れた煉獄さんを囲んで、
三人は泣き崩れるのだった。
(伊之助は泣きながら「修行だ!」って炭治郎ポコポコしてたし泣いてるの突っ込んだ善逸は伊之助に殴られて気絶してたけど)
はい。
うん。
泣く。もう、自分で書いた文章読んで泣く。
本当に心も身体も強く穢れのない正義の人だった煉獄さん。
こんな素晴らしい人が目の前で亡くなるなんて、
もっと自分が強かったらと、
炭治郎と伊之助はどれだけ打ちのめされたでしょうね。
本当に辛いだろうけど、これを乗り越えまた強くなる若者たち。
もうね、応援するしかないよね。
まとめ
ありがとう煉獄さん。
どうぞ安らかに。
マンガなのについ祈っちゃうよね。
本当に素晴らしい人物の悲しすぎる最期でした。
あと、この作品は終始セリフがすごくいいんですよね。
こういうシリアスな時の胸打つセリフも
ギャグの時の言い回しも、
本当センスの塊。大好きです。
鬼滅の刃は本当に全てのキャラが魅力的で、
みんな応援したくなっちゃうんですよ。
そんな他のキャラについても
別記事で読んでみてくださいね!!
ではまた別の記事で!
ありがとう煉獄さん!!